〇 21
好き
好きだ、と
認識する
瞬間に
笑った顔が浮かぶ
声が浮かぶ
私の知らない女の人に愛されているあなた
あなたの前ではかわいい女でいられるわたし
どこまでいっても交わらないだろうとわかっている
目指す場所などない
完成も正解もない
ただ今日も私はあなたの姿を見つけるたびに
好きだと
認識するのです
“ANJYU
○ 19
いつかあの人は
私の目の前から消えてしまうのではないかとおもう
会いたい人に会えないということほど
苦しいことは
この世にない
たった一日が
一週間が
あなたに会えない時間が
こんなに大きく感じるなんて
“ANJYU
○ 18
小さい小さい女の子が泣いている
かわいくて
小さくて
無垢で
幸福の世界からやってきた女の子
暗闇にひとりとじこもり
いつの間にか時が過ぎていた
私は彼女に手を差し出して
震える身体を
やさしく抱き寄せる
彼女の痛み
悲しみ
恐怖
希望
喜び
一粒の涙は
彼女の身体は
声をあげ始める
そして
宙でひとつになる
彼女の笑顔はこの地上で大きな光になる
〇 17
愛しあうのよ
愛しあうのよ
風の中から
聞こえるあなたを
ささやくように草木を揺らせる
つながっている心で
決して終わることのない魂の旅
めぐり巡る永久の流れを
いつかまたあなたと
“ANJYU
〇 16
この世のものではない
ふと目の前に現れた神に
祈りを捧げる暇もなく
ただ見つめ
光をおとした
“ANJYU
〇 15
「おもっているよりも
ここは綺麗なことばかりではないようだ。」
「この世界には確かにそういう面もあるかもしれないね。でも何を選択していくかは君次第だ。
君は何を望んでいるんだ?
必要なのはそれだけなんだよ。」